

かってはそう・うつ病は比較的稀な状態と考えられていました。しかし激しく強い感情の変化は稀ですが、そう・うつ病の基である感情の変動・動揺というのは、程度の差はあれ、全ての人にあるものです。最近そう・うつ病への関心が高まっていますが、それは程度の軽い状態への治療やお薬の開発が飛躍的に進んできているからです。最近では、この状態が増え、職場で休職する原因の一位になっています。いずれ国のGDPに影響する割合は、全医学的疾患の中でも2-3位になるくらい重大かつ広範に存在する問題とみなされています。
テレビや新聞にも、うつ病のコマーシャルや、治験の広告が出たりしています。子どもにも,中年女性にも,高齢者にも,とてもたくさんの人が、この状態の治療を必要としている人がいると考えられています。軽いうつは、子どもでは学業や登校に影響します。中年では、働けていても、仕事の維持・持続に、また能率に影響します。
程度の軽いものは、自分でもわからないため、また身体に症状が出ることもあるため、うつが隠れているということで、仮面うつ病という言葉もありました。軽い状態は自分も他人もわからないため,うつ状態は,怠けやサボりと思われていました。そう状態は子どもでは非行や、反抗や、適応障害とされることもあります。時には、ADHD(多動症候群)と間違われることがありました。大人では我慢のできない、頼りにならない人間と思われがちですが、間違いです。
最近はSSRIという薬や、そう・うつの感情的変化を安定させる気分調整剤や、そう状態の予防薬まで、広く使われるようになっています。
自らの感情変化を、上手にコントロールすることは、社会生活の基本です。気がかりなことがあれば、最新の精神医療の提供をどうかご利用ください。
高齢化社会となり,高齢者の心の問題が身近な問題となりました。かっては、老人になると独特の精神変化が来るとされていましたが、最近は特に決まったものはないが,個人差が多く,個別配慮がいるとされています。物忘れや、まだらぼけという状態は,認知症の始まりのこともあります。また感情の変化や,時には物盗られ妄想・嫉妬妄想なども出現します。
また、これとは別に、老人のうつ病があり、痴呆に似た症状があり、よくボケや,年寄りの変化と思われますが,仮性の認知症で、本当はうつ病ですので,この治療をすれば早く治ります。
最近の薬物の進歩は、難病の認知症にも開発が進み、痴呆の進行防止薬物も開発されました。早期・中期に葉、特に効果があるとされています。
認知症状態は,その理解と介護・保護が難しいです。認知症とは単に知的能力の低下ではなく,独特の判断力の偏りと記憶の障害があります。そのため何度言ってもだめで,正しい理解を知ると対応が簡単になり,回りの人のストレスも軽減します。また介護の仕方も、いろいろと工夫されています。何より,専門的な相談にお越しください。
このところ、出来高制や、ノルマ達成や、管理職制度の見直しといった、職場環境の激変を受け、仕事上のストレス問題が、いずれの年代にも、大きな問題として、ふりかかってきています。20代は、仕事に慣れるまでの「なじみの期間」が大きなストレスとなります。30代は、かつては人生のうちで最も安定した年代といわれていたのが、ストレスが強くなって発症しやすくなっています。40-50代のベテラン、管理職年代は、期待も大きく責任も重いために負担となっています。多くは不安・抑うつ状態から始まり、次第にうつ症状が強くなります。その結果、職場の長期休暇の半数以上がうつ病という報告もあります。この種の労災も増えているといわれています。
自分の仕事能力と、置かれている状況と、自分のメンタルヘルス状態を把握することが、予防と早期発見には欠かせません。早期に気が付けば、発症予防、治療対応に有利です。
治療には、環境調整、認知療法、精神療法、薬物療法など多彩な方法があります。薬物療法は、特に抗うつ剤は多種類が開発されています。多くはその患者さん個人に合った取り合わせ治療となります。自分にあった治療対応を見つけることが大事です。それには、考えるゆとりのある軽い時期の受診を、お勧めいたします。
日本では、この方面の専門医師が少なく、とても必要とされながら、なかなか対応できていないのが現状です。当院では、乳児期・幼児期から、児童期・思春期・青年期まで、それぞれの子どもさんが見えています。
乳幼児期では、言葉の問題、排泄の問題、視線や集団生活への参加の仕方の問題などが重要です。児童時・思春期では、不登校、いじめ・いじめられや、ADHDや学習障害など軽度発達障害といわれる状態が多いです。思春期・青年期は昔から人生の波乱期で、その対応が難しい時期と言われています。リストカットや引きこもり・うつ、対人関係のこじれなど様様ですが,精神病の始まりである場合もあります。そうなると早期発見・早期治療が重要です。
子どもさんの受診には、次の受診のコツ10か条を参考にしてください。
視線や表情や対人関係の乏しさ、ことばの発達の問題や、運動発達の問題としてあらわれます。視線(目を合わす)は、感情発達の基で大切です。親子の交流の完成は人見知りとして知られています、ことばの発達には、話し言葉だけではなく、周りの状況や、大人との対人関係の形成や、乳児期の社会性の獲得が重要です。それに伴った運動発達が必要です。
乳児健診(ことばの発達の準備能力)も行っています。
1つは乳児期からの発達課題の達成に関することで、ことばの獲得・排せつ獲得・集団参加の様子などがあります。 個人差もあるのですが、その時々に合った発達の促し方があり、おもちゃの与え方、ことばのかけ方の指導や、集団生活の相談などを行っています。ことばの発達検査も整っています。
もう1つは、小学生時期で見られるいろいろな状態の前駆症状があらわれ、保育所や幼稚園での適応障害となりやすいことです。特に感情的なコントロールがまだ難しいので、集団場面で問題行動や不適応行動をおこすことが多いです。多動児は、特に怪我が多く、勢いがついているので、重症となりやすいです。突発的な行動をしやすい子は、ほかの子との関係が作りにくいのです。
軽度発達障害と言われれるADHD、LD、高機能広汎性発達障害、軽度知的障害などがあります。具体的には、学校場面での学習の遅れや、集団場面の不適応行動として、顕在化します。本人の勉強の遅れになるので、早めの対応が必要です。
ADHDとは、注意欠如多動性障害と言われていますが、勝手に動いてしまう不随意運動がありますので、自分でコントロールすることは不可能です。よく効くお薬があります。早めの対応が必要です。
LDとは、学習障害の略です。学業成績の得手・不得手が強い子どもで、読みや、書きや、計算での問題が目立つ子どもです。
広汎性発達障害とは、ことばや、社会性や、対人関係など広範にうまくいかないので、広汎性といいます。たとえば、学校の成績は良いが、判り切った常識的なことの理解がなかなかできないことで気づかれることもあります。専門的対応が必要です。学校では特別支援が必要となることが多いです。
軽度知的障害の子は、学校でもうまくやっているし、頑張れば何でもよくするので、保護者や先生はがんばらせることが多いです。しかしそれが過剰負担となり、いろいろな適応不全を起こします。
不登校は以前からある問題で、年間12万人以上もの子どもが、この状態にあります。1つの原因で起きることも、いろいろと重なることもあります。子どものうつ、トラウマ、不安状態が、主な原因です。それぞれに沿った対応が必要です。
ひきこもりは、困っているのは、本人です。しかし本人以上に家族が困っている場合もあります。仲間作りがいります。自分たちだけで抱え込まないことです。
リストカットは、10人に1人がしています。他人からすれば、何でそんなことをして、気が晴れるのだろうかと思いますが、そうしなければならない理由は存在します。ストレスの抱え込みがあり、ストレスを解決する、外への感情爆発の替りでもあります。この気持ちを判ることが必要です。
解離状態とは、程度の軽いものから、はっきりと解離した状態まであります。「キレル」という言葉もそうですが、元の自分と違う状態に陥り、記憶が定かでなくなることもあります。いつも、いつもの自分でいられることが大切です。
うつ状態は、思春期でもかなりおこります。感情の落ち込みだけでなく、行動、意欲、考え方、食欲、睡眠も障害されます。このために不登校となることもあります。いずれ元に戻りますが、治療でその期間を短くできます。
いじめやいじめられは、精神的な問題が対人関係の場面で行動化されたものです。トラウマの原因になるので、早期の適切な対処法が必要です。この行動化が強いと、周りの子どもや大人を巻き込み、学校では学級崩壊に、家庭ではお母さんへの暴力や攻撃となりますし、地域で起きると近隣関係にまで発展します。専門的治療が要ります。
社会適応不全、ひきこもり、対人関係のこじれ、自己不全の状態、統合失調症や躁うつ病、などです。これまでの症状や問題が慢性遷延化している場合と、大人に見られる精神障害が早期発症している場合があります。
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